新築マンションの短期売買・国外居住者データの読み方

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国土交通省は2026年9月15日、三大都市圏および地方四市を対象に、新築マンションの短期売買と国外居住者による取得を調べた取引実態調査を公表しました。公式情報の確認時点は2026年10月11日です。

この記事では、調査の数字を個別物件の将来価格や資産性に直結させず、どの地域・価格帯・供給内容のデータなのかを確認しながら、購入前に比較する順番を整理します。

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この記事でわかること

  • 短期売買と国外居住者による取得の集計方法
  • 神奈川県・横浜市・川崎市、都心6区の調査数値
  • 購入前に確認したい調査対象・価格帯・供給内容の見方
目次

調査の対象は全国の全新築マンションではない

今回の調査は、三大都市圏および地方四市を対象としたものです。2018年1月から2025年12月までに登記された新築マンション約57万戸と、同じ期間・地域の移転登記約150万件が調査対象になっています。

そのため、調査結果を全国の全新築マンション市場の傾向として扱うことはできません。検討している物件と、調査の地域・期間・集計対象が重なるかを先に確認することが重要です。

短期売買と国外居住者の取得は何を数えているか

短期売買は、保存登記から365日以内に移転登記が行われた取引を指します。購入後すぐに売却した人の属性や理由を直接示す指標ではなく、登記上の期間で集計された割合です。

国外居住者による取得は、不動産登記の所有者住所欄が国外住所となっている物件を集計しています。国籍そのものを直接数えた指標ではないため、「国外居住者」と「外国籍の購入者」を同じ意味で読むことはできません。

また、短期売買の集計では専有卸を除外するため、売主が一つのマンションの区分所有権の100%を保有する法人である場合を除外しています。大規模マンションは、1棟あたりの売買を原因とする保存登記数が100件以上の物件と定義されています。

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神奈川県・横浜市・川崎市の数値は所在地単位で比べる

2024年に保存登記された新築マンションについて、購入後1年以内の短期売買割合は神奈川県4.7%、横浜市5.3%、川崎市6.9%でした。

地域 短期売買割合
神奈川県 4.7%
横浜市 5.3%
川崎市 6.9%

同じ神奈川県内でも、県全体と市単位で数値が異なります。購入候補が横浜市や川崎市にある場合は、神奈川県の数値だけで判断せず、より近い所在地単位の集計を確認するという読み方になります。

なお、2025年の国外居住者による取得割合は、神奈川県0.6%、横浜市0.9%、川崎市0.3%でした。こちらは所有者住所欄をもとにした集計であり、特定の物件がどのような購入者構成になるかを示すものではありません。

都心6区の価格帯データは対象範囲を確認する

2025年の都心6区では、新築マンション購入物件の価格帯は1億円未満が69.2%、1億円以上2億円未満が27.4%、2億円以上が合計3.4%でした。

価格帯 構成比
1億円未満 69.2%
1億円以上2億円未満 27.4%
2億円以上 合計3.4%

ただし、この価格帯別集計は、不動産経済研究所の価格データと登記情報を突合できた物件に限られます。都心6区のすべての新築マンションを無条件に表した数字ではないため、データの対象範囲を確認してから比較する必要があります。

同じ都心6区で、国外に住所がある者による購入割合は、2億円未満の物件で4.0%、2億円以上の物件で6.4%でした。国土交通省は、この結果から国外居住者の購入が高額物件に偏っている傾向は特に見られないと整理しています。

数字が変動する理由は供給された物件の内容にある

国土交通省は、短期売買の割合が、供給されたマンションの種類や規模によって大きく変動すると説明しています。単年度の数値だけでは、地域全体の恒常的な傾向や個別物件の将来価格を判断できません。

実際に、2024年の東京23区では、専有面積40平方メートル以上の新築マンションについて、大規模マンションの短期売買数・割合が、それ以外のマンションより大きく上昇しました。一方で、2024年下半期には大規模マンションを含め、短期売買数・割合が減少しています。

この動きから確認できるのは、短期売買の数字を読む際に、年だけでなく、供給された物件の種類や規模、集計期間をそろえる必要があるということです。数字が高い、低いという比較だけで物件の優劣を決めるのではなく、同じ条件で比べられているかを確認します。

購入前に確認する順番

調査データを購入判断に使うときは、割合を見る前に対象範囲をそろえると、数字の意味を取り違えにくくなります。

  1. 所在地をそろえる:全国、都道府県、市区など、検討物件と比較する地域単位を確認します。神奈川県と横浜市・川崎市のように、同じ県内でも数値が異なる場合があります。
  2. 指標の定義を確認する:短期売買は保存登記から365日以内の移転登記か、国外居住者は登記上の所有者住所による集計かを確認します。
  3. 対象年と判定期間を確認する:国外居住者による取得の2025年集計は2025年1月から12月が対象です。一方、短期売買は購入後1年以内の売買を判定する必要があるため、2025年の調査結果でも短期売買の主な集計期間は2024年1月から12月です。
  4. 価格帯と突合条件を見る:都心6区の価格帯データのように、どのデータを突合できた物件が対象なのかを確認します。
  5. 供給内容を比較する:大規模マンションか、それ以外かなど、供給されたマンションの種類や規模が比較対象でそろっているかを確認します。

この順番で確認したうえで、検討物件の販売価格、所在地、規模などの個別資料と調査データを照らし合わせます。調査結果だけから個別物件の将来価格や資産性を断定することはできないため、建築事業者や販売担当者には、比較対象となる物件の範囲と集計条件を確認してください。

まとめ:割合ではなく対象範囲と変動要因を見る

国土交通省の調査は、新築マンションの短期売買や国外居住者による取得を考える材料になります。ただし、対象地域・登記上の定義・価格帯の突合条件・供給された物件の種類によって、数字の意味は変わります。

購入前は、所在地、指標の定義、対象年、価格帯、供給規模の順に確認し、同じ条件で比較できるデータかを見極めましょう。割合だけで個別物件の将来価格や資産性を判断しないことが、調査データを使う際の基本です。

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この記事を書いた人

株式会社HALENAMIが運営する不動産メディア「HALENAMI MEDIA」の編集チームです。不動産売買の実務と、公的機関が公表する一次情報をもとに、住まいの判断に役立つ情報を届けています。
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