借地権付き建物の売却で賃借権と地上権を確認

借地権付き建物の売却で賃借権と地上権を確認に関連する住まいのイメージ

借地権付き建物の売却では、建物だけでなく土地を使う権利が買主へ移る点を確認する必要があります。特に、その権利が賃借権なのか地上権なのかで、地主の承諾に関する確認事項が異なります。

この記事では、契約書や登記などで借地権の種類を確認する方法、賃借権の譲渡と地主承諾、承諾を得られない場合に確認できる制度、期間満了時の扱いを整理します。個別物件の売却可否や具体的な手続順序を判断する記事ではありません。

借地権付き建物の売却で賃借権と地上権を確認に関連する住まいのイメージ

この記事でわかること

  • 賃借権と地上権で地主承諾の確認がどう異なるか
  • 契約書・登記・承諾書で確認する項目
  • 承諾を得られない場合と借地権の期間区分
目次

最初に確認するのは賃借権か地上権か

借地権付き建物の売却で最初に確認したいのは、土地の利用権の種類です。国土交通省の借地権マンションに関する資料では、敷地利用権が地上権の場合は売却に地主の承諾が不要である一方、賃借権の場合は売却について地主の承諾が原則として必要と説明されています。

ここでいう違いは、単に呼び方が異なるということではありません。売却を検討する段階で、契約書や登記などに記載された権利の種類を確認し、賃借権として扱われているのか、地上権として扱われているのかを整理することが判断の出発点になります。

権利の種類 地主承諾の確認
地上権 国土交通省の資料では、売却に地主の承諾は不要と説明
賃借権 売却について地主の承諾が原則として必要

この整理は、借地権付きマンションの資料に示された説明です。戸建てなど個別の借地契約にそのまま当てはまるかは、契約書や登記の内容を確認してください。

賃借権の譲渡では地主の承諾が主要な確認事項

民法612条は、賃借人が賃貸人の承諾なしに賃借権を譲渡または転貸することを禁止しています。違反して第三者に使用・収益させた場合には、賃貸人が契約を解除できると定めています。

借地権が土地の賃借権である場合、建物の売却に伴って借地権を買主へ移すことになるため、地主の承諾が主要な確認事項になります。建物の売買だけを見て、土地を使う権利の移転を確認しないまま進めないことが重要です。

承諾書で確認する相手と対象

国土交通省は、賃借権の全部または一部を譲渡する場合の「賃借権譲渡承諾書」の例を公開しています。この例では、譲渡人が譲受人を明示して賃貸人へ承諾を求め、賃貸人が承諾欄を記載する形式です。

この書式から確認できるのは、誰から誰へ権利を移すのか、賃貸人がどの内容を承諾するのかを明確にする考え方です。実際に必要な書類や条件は個別の借地契約によって異なるため、手元の契約書と照合してください。

▶ ご自宅の売却について、条件の整理からHALENAMIに無料で相談できます

地主の承諾を得られないときに確認できる制度

借地権者が借地上の建物を第三者へ譲渡する場合、譲受人による賃借権の取得が借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず承諾を得られないときは、借地借家法19条に基づき、裁判所へ承諾に代わる許可を申し立てられます。

ただし、申立てができることと、許可が得られることは同じではありません。借地借家法19条の判断では、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、譲渡または転貸を必要とする事情など、一切の事情が考慮されます。

裁判所の判断では、必要に応じて借地条件の変更や財産上の給付が条件となることもあります。したがって、承諾が得られない場合は、売却できると自己判断せず、契約内容と事情を整理したうえで制度の利用可否を確認する必要があります。

申立事件は、原則として借地権の目的である土地の所在地を管轄する地方裁判所が管轄します。当事者の合意がある場合は、所在地を管轄する簡易裁判所への申立ても妨げられないとされています。

期間満了時の扱いも売却前に確認する

借地権は種類によって期間満了時の扱いが異なります。売却時の承諾だけでなく、契約書に記載された借地権の種類と期間満了時の定めも確認してください。

  • 一般定期借地権:存続期間は50年以上で、原則として建物を取り壊して土地を返還
  • 事業用定期借地権:10年以上50年未満で、事業用建物に限られる
  • 建物譲渡特約付借地権:30年以上で、期間経過時に建物を地主へ譲渡する特約を設ける

これらの期間区分は、売却価格や売却可否を直接決めるものではありません。買主へ説明すべき契約上の前提を確認するため、契約書にある借地権の名称、存続期間、期間満了時の定めを確認し、不明点は建築士や不動産事業者などに契約書を示して確認してください。

売却前に確認する順番

個別案件の手続順序を断定することはできませんが、情報を整理する順番としては、次の項目が役立ちます。

  1. 権利の種類を確認する:契約書や登記などで、土地の利用権が賃借権か地上権かを確認します。
  2. 借地契約の期間と満了時の定めを確認する:一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権などの記載を確認します。
  3. 譲渡に関する条項を確認する:建物の譲渡と借地権の移転について、契約書にどのような定めがあるかを確認します。
  4. 賃貸人への承諾が必要か整理する:賃借権の場合は地主の承諾が原則として必要とされるため、承諾書の例も参考に確認項目を整理します。
  5. 承諾を得られない場合の確認先を整理する:借地借家法19条の申立てを含め、個別事情に応じた制度の利用可否は専門家や裁判所の案内で確認します。

この順番で確認すると、権利の種類、契約期間、地主承諾の要否、承諾が得られない場合の確認先を分けて整理できます。売却できるかどうか、必要な書類や条件が何かといった個別判断は、契約書や登記を確認したうえで専門家へ相談してください。

まとめ

借地権付き建物の売却では、まず土地の利用権が賃借権か地上権かを確認します。国土交通省の資料では、地上権は売却に地主の承諾が不要、賃借権は原則として承諾が必要と説明されています。

賃借権の場合は、民法612条の譲渡制限、借地借家法19条の承諾に代わる許可、借地契約の期間満了時の扱いを分けて確認してください。個別の売却可否や必要な手続は、契約書・登記などをもとに公式情報や専門家へ確認することが必要です。

公式情報

売却を考えはじめた方へ(相談無料)

HALENAMIでは、東京・神奈川を中心に一都三県の住まいの売却相談を無料で承っています。査定の前に、売り方や時期の考え方から一緒に整理します。

不動産売却について相談する

この記事をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社HALENAMIが運営する不動産メディア「HALENAMI MEDIA」の編集チームです。不動産売買の実務と、公的機関が公表する一次情報をもとに、住まいの判断に役立つ情報を届けています。
編集方針 運営会社

目次